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突発的に書いてみたくなったのですが、本編では出来ないであろうアイデア・展開なので簡単なSSにしてみました。
小説版禁書の最新刊を見て五和にやられた。
尚、詳しい時間軸とかはさっぱり考えていません。ご了承下さい。
また、若干下ネタが入ってますので嫌悪感を抱く方はバックにてお戻り下さい。
ワンクッション置くので、読みたい方は続きからどうぞ。

「うだー」

 今日も一日不幸だった、と言わんばかりに上条当麻は溜息をついた。
 毎度毎度の事ながら、些細な不幸から致命的(?)な不幸まで、様々な形でその不幸っぷりを見せ付けてくれた。
 周りから見れば既に名物と化している。
 特に上条のクラスでは、自分の不幸が上条に移ってくれたと喜ばれる始末だ。
 上条としては甚だ迷惑な話ではあるのだが、その右手(異能)の特性上、彼と不幸には切っても切れない縁がある。
 正直、上条としては切ってしまいたい縁だ。

 上条の右手に宿る異能―――名を、幻想殺し(イマジンブレイカー)という。
 それが異能の力であるなら、たとえ神の奇跡でさえも消してしまえる力だ。
 無論、万能である訳ではない。
 この力には致命的な弱点、というべきものが存在した。
 効果範囲は右手首から先。
 つまり、そこで受け止めなければ何ら効果を現さないのだ。
 ちなみにこの力は幸運や赤い糸なんかも軒並み消してしまう。
 上条にとっては涙目ものであるが、持って生まれたものはしょうがない。

 さて、そんな不幸少年・上条であるが、今現在彼は緩みきっていた。
 後は自宅に帰るだけ。今日の不幸は一応の打ち止めを見せたと考えたのだ。
 だがしかし。上条の不幸はまだ終わってはいなかった。

「……紙がねぇ」

 紙がない。
 笑い事ではない。正に死活問題である。
 トイレに備え付けてある筈の紙がないのだ。
 生憎と居候少女・インデックスは出かけていない。
 無事に帰宅できたと思ったらこれだ。

「ふ、不幸だ……」

 ずーん、と黒い影が上条を覆う。
 暗黒面に落ちた感じだ。

「つーか、俺は一体何時までこうしていればいいんだろう……」

 紙がなければ拭けない。
 拭けなければ外に出る事も出来ない。
 正に八方塞がり。
 上条は途方にくれた。

「あ、あの……。
 良かったらこれどうぞ」

 にゅっと差し出されるおしぼり。
 上条は反射的にそれを受け取った。

「うあー、すまん。助かった」
「い、いえ。私に出来るのはこれぐらいですから……」
「いや、まじ助かる」

 おしぼりといえど拭けるのならば大助かりだ。
 ホッと一息ついた上条は、ブリキの玩具の様に動きを止めた。
 ガバッと顔を上げるが、そこには誰も居ない。
 では、一体誰がこのおしぼりを……?

「………」

 結局、このおしぼりが誰によって齎されたのか、上条が知る事は終ぞ無かった。




五和かわいいよ五和。
と云うことでおしぼりネタでした。
内容は兎も角、多分誰もが思いつくネタなんじゃないでしょうか。
最新刊では五和が主要メンバーを張っているので、五和派な方は是非買ってみる事をおすすめしますよw

11/11 23:22.修正
11/12 22:39.微修正

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