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コードギアス
ナナ→ルル
※この作品の半分は願望で出来ています。
ワンクッション置くので、問題ない方は続きからどうぞ。
ナナ→ルル
※この作品の半分は願望で出来ています。
ワンクッション置くので、問題ない方は続きからどうぞ。
「……お兄様」
時刻は既に夕食時。
ナナリーはひっそりと溜息を吐いた。表情がかげるのを隠せない。
それもこれも、兄であるルルーシュの帰りが遅くなる事を、つい先程本人からの連絡で知ったからだ。
もしかしたら夕食までに帰ってこれないかもしれない。もし夕食までに帰れなかったら、咲世子さんに食事はいらないと伝えてくれ。そう言われた時、ナナリーは酷く落胆した。
ルルーシュは普段どんなに遅くなろうと食事は一緒にとってくれたし、休みの日には一緒に過ごす時間を作ってくれていた。
ナナリーはその兄と過ごす時間が、最近段々と減ってきている事に気がついていた。
それは二人きりで過ごす時間が随分と減って来ている事にも繋がる。
其れに気付いた時、ナナリーは無性に悲しくなった。
あれだけ近くに居たルルーシュが、今はずっと遠くに感じる。
「お兄様は私を置いて行ったりしませんよね……?」
そのまま手が届かなくなりそうで。ナナリーは呟いた。
電話ではゲットーに居ると言っていた。
最近のゲットーは何かと危険な噂や事件が絶えない。
もしルルーシュまで失ったら、と思うとそれだけで身体が竦み上がる。
ナナリーには、ルルーシュの無事を祈る事しか出来なかった―――。
◆◇◆◇
結局この日、ルルーシュは夕食までに帰って来なかった。
普段は二人で食べる夕食も、一人では味気ないし寂しく感じる。
ナナリーは頼みこんで咲世子と共に食事を取った。
食事を終えると、咲世子は所用で部屋を出た。今この部屋に居るのはナナリーだけだ。
目は見えないけれど、何となく部屋が広くなった感じがするのは、一人で居る寂しさから来るものだろう。ルルーシュや咲世子が居ないだけでこれだ。
つけっぱなしになっているテレビからは、ニュースが流れている。
新しくゲットーで黒の騎士団とブリタニア軍のぶつかり合いがあった、というニュースが流れた時、ナナリーは心臓が止まるかと思った。
ナナリーはゆっくりと息を吐き、用意していた折りかけの鶴を折り始めた。
イレブン―日本人―である咲世子に以前教えて貰ったものだ。
千羽鶴。それを、一つ一つ願掛けをしながら折って行く。
(お兄様、お兄様お兄様お兄様お兄様)
考えるのは、何時だって自分を護ってくれたたった一人の兄のこと。
世界が優しくありますように。
ナナリーは以前、そうルルーシュに言ったことがあった。
けれど、そんなものは建前に過ぎない。
ルルーシュはその願いに納得していたようだが、自分はもっと浅ましい人間だ。
自分の事で精一杯。人の事を考える余裕なんてとてもありはしない。
ナナリーの願い。
それは何時だって、どんな時だってたった一人に向けるものだ。
(お兄様が無事でありますように)
(お兄様がずっと傍に居てくれます様に)
(世界がお兄様に優しくありますように)
(お兄様―――)
この眼が見えないままでも構わない。
この足が動かないままでも構わない。
たとえ世界が汚くても構わない。
たった一つだけ。
ルルーシュが傍に居てさえくれれば、ナナリーにとってそれは『優しい世界』足りえるのだ。
ナナリーは兄の無事を祈りながら、鶴を折る。
「―――……早く帰って来て下さい、お兄様」
小さく呟いた言葉は、誰にも届くこと無く消えていった。
【後書き的なもの】
そんな訳でちょっと捏造してみました。
本家サイトにUPする程のものでもないので、こちらにUP。
ギアス本編を見直したり考察サイトを回ってみたりすると、ちょっと嫌な結末とかが思い浮かんだりするので、半ば衝動的に。
なので、もしかしたら支離滅裂な所とかあるかもしれません。
本編見てると解るんですが、ナナリーに対する情報が少ないんですよね。
出て来る回数とかは多い割りに情報が少ないから、ちょっと今からガクブルです。
……本編見てると、うっかり気付いてなさそうなんですよねー。ゼロのこと。
これ気付いてるだろうか、と今更な事を疑問に思ったり。
11/20 6:22.修正
11/20 6:28.修正
時刻は既に夕食時。
ナナリーはひっそりと溜息を吐いた。表情がかげるのを隠せない。
それもこれも、兄であるルルーシュの帰りが遅くなる事を、つい先程本人からの連絡で知ったからだ。
もしかしたら夕食までに帰ってこれないかもしれない。もし夕食までに帰れなかったら、咲世子さんに食事はいらないと伝えてくれ。そう言われた時、ナナリーは酷く落胆した。
ルルーシュは普段どんなに遅くなろうと食事は一緒にとってくれたし、休みの日には一緒に過ごす時間を作ってくれていた。
ナナリーはその兄と過ごす時間が、最近段々と減ってきている事に気がついていた。
それは二人きりで過ごす時間が随分と減って来ている事にも繋がる。
其れに気付いた時、ナナリーは無性に悲しくなった。
あれだけ近くに居たルルーシュが、今はずっと遠くに感じる。
「お兄様は私を置いて行ったりしませんよね……?」
そのまま手が届かなくなりそうで。ナナリーは呟いた。
電話ではゲットーに居ると言っていた。
最近のゲットーは何かと危険な噂や事件が絶えない。
もしルルーシュまで失ったら、と思うとそれだけで身体が竦み上がる。
ナナリーには、ルルーシュの無事を祈る事しか出来なかった―――。
◆◇◆◇
結局この日、ルルーシュは夕食までに帰って来なかった。
普段は二人で食べる夕食も、一人では味気ないし寂しく感じる。
ナナリーは頼みこんで咲世子と共に食事を取った。
食事を終えると、咲世子は所用で部屋を出た。今この部屋に居るのはナナリーだけだ。
目は見えないけれど、何となく部屋が広くなった感じがするのは、一人で居る寂しさから来るものだろう。ルルーシュや咲世子が居ないだけでこれだ。
つけっぱなしになっているテレビからは、ニュースが流れている。
新しくゲットーで黒の騎士団とブリタニア軍のぶつかり合いがあった、というニュースが流れた時、ナナリーは心臓が止まるかと思った。
ナナリーはゆっくりと息を吐き、用意していた折りかけの鶴を折り始めた。
イレブン―日本人―である咲世子に以前教えて貰ったものだ。
千羽鶴。それを、一つ一つ願掛けをしながら折って行く。
(お兄様、お兄様お兄様お兄様お兄様)
考えるのは、何時だって自分を護ってくれたたった一人の兄のこと。
世界が優しくありますように。
ナナリーは以前、そうルルーシュに言ったことがあった。
けれど、そんなものは建前に過ぎない。
ルルーシュはその願いに納得していたようだが、自分はもっと浅ましい人間だ。
自分の事で精一杯。人の事を考える余裕なんてとてもありはしない。
ナナリーの願い。
それは何時だって、どんな時だってたった一人に向けるものだ。
(お兄様が無事でありますように)
(お兄様がずっと傍に居てくれます様に)
(世界がお兄様に優しくありますように)
(お兄様―――)
この眼が見えないままでも構わない。
この足が動かないままでも構わない。
たとえ世界が汚くても構わない。
たった一つだけ。
ルルーシュが傍に居てさえくれれば、ナナリーにとってそれは『優しい世界』足りえるのだ。
ナナリーは兄の無事を祈りながら、鶴を折る。
「―――……早く帰って来て下さい、お兄様」
小さく呟いた言葉は、誰にも届くこと無く消えていった。
【後書き的なもの】
そんな訳でちょっと捏造してみました。
本家サイトにUPする程のものでもないので、こちらにUP。
ギアス本編を見直したり考察サイトを回ってみたりすると、ちょっと嫌な結末とかが思い浮かんだりするので、半ば衝動的に。
なので、もしかしたら支離滅裂な所とかあるかもしれません。
本編見てると解るんですが、ナナリーに対する情報が少ないんですよね。
出て来る回数とかは多い割りに情報が少ないから、ちょっと今からガクブルです。
……本編見てると、うっかり気付いてなさそうなんですよねー。ゼロのこと。
これ気付いてるだろうか、と今更な事を疑問に思ったり。
11/20 6:22.修正
11/20 6:28.修正
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