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前回データがあぼんしたSSです。
冒頭部だけ思い出したので書こうと思います。

コードギアス
ナナ⇔ルルっぽい




※この作品は願望妄想で出来ています。
 また、書いているうちに超長くなってしまいました(ぁ
 ワンクッション置くので、問題ない方は続きからどうぞ。

 アッシュフォード学園には四人の有名人が居る。
 一人は学園理事の孫娘であり、生徒会会長であるミレイ・アッシュフォード。
 もう一人はイレブン―日本人―でありながら皇女の騎士を務める枢木スザクだ。
 二人は世間でもそこそこの知名度を持つ。
 何せ片方は没落したとは言え昔は皇族の後ろ盾についた事もある貴族の娘。
 もう片方は現エリア11の副総督にして第三皇女であるユーフェミアの騎士だ。
 スザクはもとより、貴族間だけの話ならアッシュフォードの事もまだ話題に出ることがある。

 さて、残りの二人であるが、こちらは前者二人とは大きく違った意味での有名人だ。
 ルルーシュ・ランペルージとナナリー・ランペルージ、ランペルージ兄妹の二人だ。
 兄のルルーシュは生徒会の副会長ということもあるが、この二人が有名なのは特にその容姿から来るものが大きい。
 妹のナナリーは妖精や天使に例えらる程愛らしかったし、ルルーシュに至っては一部で女王と呼ばれるほど秀麗な容姿をしていた。
 そんな二人だから、学園内だけに限れば前者二人よりも知名度は上と言えよう。
 そんなルルーシュにはもう一つの秘密があった。
 これも、学園に居る者なら誰もが知っている事だ。

 ―――ルルーシュ・ランペルージは重度のシスコンである。

 とは言え、学園内でそれをどうこう言う人間は居ない。
 それは妹であるナナリーが障害を持っていたからだろう。
 眼が見えず、足が動かない。そんな妹を気にかけるのは当然だ、と誰もが思った。
 仮に自分の家族がそうなれば、きっと同じ反応をするようになっただろう。
 周りの者もそれは理解できたから、そんな兄妹二人の様子を微笑ましく見守っていた。
 それに二人が揃っているとそこだけ一枚の美しい絵画のようになるものだから、仮に文句があったとしても言える筈がない。
 周りのものは感嘆の溜息を吐きながら、遠目でその様子を見守ったものだ。

 さて、ある日そんなランペルージ兄妹に関連する出来事が一つあった。
 それはそれは、今までの認識を一掃する程の出来事だった。


◆  ◇  ◆  ◇


「ルルちゃーん、こっちもお願いね?」
「………会長、偶には仕事を溜めないでやろうとは思わないんですか?」

 アッシュフォード学園・生徒会室。
 何時ものように会長であるミレイの放送で呼び出された生徒会の面々は、これまた何時ものように会長命令で仕事をしている最中であった。
 ミレイはやれば出来る人間ではあるが非常に気まぐれだ。
 突拍子もない企画を考えて実行したりもするが、ルルーシュ個人としてはそんなミレイを気に入っていた。
 が、それとこれとの話は別だ。
 今回の事とて、書類を溜めていたせいで生徒会の面々を総動員して作業に当たっているのだ。
 これがなければ、と言わんばかりに、ルルーシュは溜息を吐いた。

「午前中授業で幸いでしたね、会長」

 半ば皮肉のような言い方になってしまったが、本心である。
 午後をそのまま仕事に当てられた為、何時も通りの時間に帰れそうだ。
 ナナリーの事を思ってか、ルルーシュの口元が綻んだ。
 元々早く帰れる筈だったので、今日はナナリーの為に時間を使おうと考えていたのだ。
 生徒会の仕事が入った事は電話で伝えたが、それでも出来るだけ早く帰れれば、と考えていた。

「うん、そうだね」

 が、そんなルルーシュの言葉に答えたのはミレイではなくニーナだった。
 ちらりと視線を向ければ帰って来るのは苦笑い。
 そこでミレイの方に視線を向けると、どうやら珍しくも集中しているようだった。
 普段はこうして仕事をしている間も会話ぐらいはしていただけに、珍しい事だった。

 改めて周りを見回してみると、他の面々もそれぞれ仕事に集中しているようだ。
 まだ生徒会に入って間もないカレンも悪戦苦闘しつつ何とかこなしている。
 カレンの本性を知っているルルーシュから見れば、良く頑張ったと言いたくなる様な光景だった。
 本来肉体派のシャーリーも健闘していると言えよう。

 会話は一切ない。
 黙々と作業する様は、普段の生徒会の様子をしっているだけに不気味だった。
 ちなみに、スザクは軍の仕事でこの場には居ない。

「かいちょー、こっちは終わったけど他にある?」
「とりあえずそっちによけてある分、お願い」
「りょーかい」

 リヴァルが終わった分の資料をよけ、新たな資料を持ってくる。
 そんなこんなで数時間、全員黙々と作業にとりかかった。
 何時もなら会話が途切れないのだが、今回は流石に危機感を抱いたのか会話がされる事はなかった。
 そのお陰か異様に仕事のスピードが速い。

 ………ルルーシュは、今の自分が非常に不機嫌な顔をしている事に気付いていなかった。
 良く見ればリヴァルは冷や汗を掻いているし、苦笑いだと思ったニーナの笑みは引き攣っている。
 ミレイもどこか挙動不審だったし、シャーリーに至ってはもう泣きそうだ。
 唯一何の変化も無いのはカレンぐらいなものである。

「………会長、次はありませんから」
「会長、今度はしっかりして下さいー」
「くあー疲れたー」
「ミレイちゃん、今度はもうちょっとだけでも減らしておこうね?」
「…………」
「うー、皆ありがとー!」

 次々にミレイに言葉をかける。
 カレンなどは机の上にべちゃーっと倒れる始末だ。
 普段の彼女では見れない光景である。

 その大半は仕事から解放された事に喜んでいるのではなく、ルルーシュの不機嫌顔から開放される事を喜んでいるのだが、勿論ルルーシュ本人は気付いていない。

「ミレイちゃん、仕事も終わったしお茶にしよっか?」
「そうねー。皆、休憩挟んで解散にしようか」
「さんせ-い」

 異論はない。
 そんな訳でお疲れ様お茶会(ミレイ命名)が始まった。
 用意の為にニーナが席を立とうとしたその時、生徒会室のドアが開いた。

「皆さん、お疲れ様です」

 ………なんて計ったかのようなタイミング。
 その膝の上にはアップルパイの乗ったお皿がある。
 まるで今からお茶会をする事が解っていたかのようなタイミングの良さだ。
 これにはカレンの眼もまん丸になっている。

「ナナリー?」
「はい、お兄様」

 兄に向かってふんわり微笑むナナリー。
 そんなナナリーの表情を見て、今感じた疑問など吹き飛んでしまった。
 ルルーシュの顔にも微笑が浮かぶ。

「そろそろ終わる頃だろうと思って……。アップルパイを用意したんです」
「じゃあ皆で頂こうかしら」

 ミレイがすかさず席を立つと、紅茶を用意する為その場を後にした。
 いっそ見事なまでの撤退術だ。

「そ、それじゃあ私は小皿とって来るね?」
「私ミレイちゃんのお手伝いして来る」

 シャーリーとニーナがそそくさと席を立つ。
 残った面々に緊張が浮かぶ。
 只一人、ルルーシュだけがナナリーを見てニコニコしていた。

 ルルーシュはまるで気が付いていなかった。
 ナナリーの笑みがどこか黒い事に。
 と云うよりも、ナナリーに関してはフィルターがかかっているのかもしれない。
 戦々恐々とするメンバー。
 カレンですらビクッとしているのだから、その威力推して知るべし。

 暫くすると、紅茶の用意をしたミレイとニーナ、人数分の小皿を持って来たシャーリーが戻って来た。
 ナナリーの膝に乗せてあったお皿はルルーシュがテーブルへと持っていく。
 こうしてお茶会は始まった。


◆  ◇  ◆  ◇


 ナナリーが用意していたアップルパイもすっかりなくなり、同時にお茶会も恙無く終了した。
 ホッと一息吐いた面々にルルーシュは不思議な顔をする。

「お兄様、咲世子さんが用事があるとかで……先に行っててくれませんか?」

 ポン、と両手を叩き、今思い出しましたと言わんばかりにナナリーは言った。
 嘘だ。絶対嘘だ!
 他の面々はそう思ったが、口には出さない。
 出せば恐らく―――消される。
 ルルーシュはナナリーに不思議そうな顔を向けたがすぐに頷いた。

「解ったよ、ナナリー」

 そうしてルルーシュはその場を後にした。

「…………さて」

 ルルーシュが部屋を後にして暫く。
 漸くナナリーが口を開いた。
 一同に緊張が奔る。

「今日、本当はお兄様と二人っきりで過ごす筈だったんです」

 ごくり、と誰かがつばを飲み込んだ。
 何時ものナナリーには感じられない、黒いオーラが吹き出ているのは気のせいだろうか?
 ゆっくりと、見えない筈の眼が開く。
 それはそれはルルーシュに良く似た色をしていた。

「―――――二度目はありませんからね?」

 コクコク。
 誰もが言葉を発せず、ただ首を縦に振る事で返事をした。
 あれ、眼は見えるんですか? 何て質問はなしだ。
 ナナリーはその返事に満足したのか一つ頷くと、器用に車椅子を操ってその場を後にした。

「か、かいちょー」

 涙目になったシャーリーに、ミレイは力なく笑みを向けた。
 ミレイとしてはこうなる事は予想できていたのだ。
 彼女が会話をしなかったのには、そんな理由もあったと言う訳だ。

「ナナちゃんの様子、何時もと違いすぎますよ~」

 確かにあんなナナリーを見た事はなかった。
 リヴァルは眼を開いたナナリーを思い出し、ブルリと震えた。
 カレンは机に突っ伏し、動きそうにない。
 そのまま寝息が聞こえて来そうな勢いだ。

「……あれ? ルルーシュ君ってナナリーちゃんの眼が見える事、知ってるのかな」
「そういやそうだな」

 ニーナとリヴァルが疑問の声を上げる。
 あの二人と一番付き合いが長いのはミレイだ。
 二人はミレイに視線を向けた。

「ルルちゃんが? 多分、知らないでしょ。知ってたら教えてくれるぐらいの事はするだろうし」
「ルルって嘘つけなさそうだしね」
「あー、それはあるかも」

 ミレイの答えにシャーリーが追随し、リヴァルがそれに頷いた。
 確かにどこか抜けてるルルーシュの事だ。
 誰かに嘘をついたりは出来ないだろう。

「私はそれよりもナナちゃんがあんな態度を見せた事がびっくりかな」
「あー、それ?」

 ミレイが困ったように呟いた。

「ルルちゃんのシスコン振りで隠れてるけど、ナナリーも相当なものよ?」

 生徒会の面々はその答えに眼を丸くした。
 今にも眠りそうだったカレンですらガバッと身体を起こした位だ。
 其れから暫く、生徒会室ではランペルージ兄妹に関する話題が途切れる事はなかった。


◆  ◇  ◆  ◇


 クラブハウスに戻りルルーシュと夕食を取った後、ナナリーはすぐに自室へと戻っていた。
 既に日は落ち、夜の闇が周囲を覆っている。
 ルルーシュは既に眠り、クラブハウスの中には静寂が訪れていた。

「………C.C.さん?」
「良く解ったな」
「C.C.さんの気配は他の人と違って解りやすいですから」

 ふんわりとナナリーが微笑む。
 C.C.はそんなナナリーの様子に、口元を歪めた。

「ルルーシュは知らないだろうな。可愛がっている妹がこんな性格をしている事など」
「お兄様は私に、綺麗なものを見る事を望みましたから」
「本当に、お前たちは面白いよ」

 そう言って笑みを浮かべるC.C.を、ナナリーはその瞳で見つめた。

「眼が既に見えるようになっている事。足が動くようになっている事。そのどちらもあいつは知らないんだろう?」
「はい。そして、まだ言う必要は無いです」
「―――……」
「お兄様が作る『優しい世界』が出来るまでは」

 ナナリーの答えに、C.C.は笑みを深くした。

「所で、今日はお兄様に何かありましたか?」
「特にはなかったよ。学園内に居る分には問題ないだろう」
「良かった」

 ナナリーはホッとした笑みを浮かべた。
 その様子にC.C.も笑みを浮かべる。
 何故なら、この二人にとってルルーシュは、そのベクトルは違えども大切な存在なのだから。

「お前たち兄妹は本当面白い」
「私にとって世界とはお兄様のことですもの」
「ルルーシュにとっても同じ事だろう」
「……C.C.さん、これからもお兄様の事、宜しくお願いしますね?」
「任せろ」

 そうして、共犯者の二人は笑いあった。





【後書き】
いやー、書いてるうちに段々と長くなってしまいました。
しかも、もしかしたら生徒会メンバーの口調がおかしい事になってるかも知れませんし。
ついでに。ごめんよカレンー。セリフが一つもない(爆)
もー、どうしようもない奴ですみません(ジャンピング土下座)
内容を保管していくうちにどんどんおかしくなるし。
妄想は大爆発しているしで(笑)
それでは、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。

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